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岩田 稔*; 今井 文一*; 中山 陽一*; 今川 吉郎*; 杉本 雅樹; 森下 憲雄; 田中 茂
Proceedings of 23rd International Symposium on Space Technology and Science (ISTS-23), Vol.1, p.513 - 518, 2002/00
人工衛星や宇宙ステーション等の宇宙機では搭載機器や居住空間の温度制御が不可欠であり、そのために重要な役割を果たす熱制御フィルムの信頼性評価技術の開発が強く求められている。このため、本研究では熱制御フィルムの放射線劣化の新たな評価手段として電子スピン共鳴法(ESR)適用の可能性を検討した。放射線による熱制御特性低下の原因となるフィルムの着色とそのアニーリング挙動を従来の光吸収法で評価し、フィルム中に放射線照射で発生したラジカルをESRで定量した。この結果、照射やアニールによる着色度の変化はラジカル量の変化とよく一致することを見いだし、フィルムの着色はラジカルによる光吸収に起因することを突き止めた。また、放射線で発生したラジカルは、空気中の酸素により急速に消滅すること,ガラス転移温度以下の加熱によっても消滅することを明らかにした。これらの結果から、宇宙用熱制御フィルムの耐放射線性評価法としてESRは極めて有効であると結論できる。
工藤 久明; 杉本 雅樹; 瀬口 忠男; 田頭 実*; 今川 吉郎*; 中井 宗明*
誘電・絶縁材料研究会資料, p.33 - 40, 1997/00
宇宙で人工衛星の熱制御材として使用されているフレキシブルOSRの耐放射線性を、加速器により電子線、陽子、鉄イオン照射した後に光学特性や表面抵抗率を測定することによって評価した。静止軌道上10年間に相当する照射後においても、劣化は軽微であった。線量率や加速エネルギーに対する依存性を調べたところ、光学特性変化にはほとんど依存性がみられなかったが、表面抵抗率は依存性を示した。
嶋田 道也; 野田 信明*
機械の研究, 47(1), p.195 - 200, 1995/00
ダイバータが果たすべき役割、すなわち不純物制御、粒子制御、熱制御について論じ、次にその役割を果たすためのスキームについて概説した。今日までのダイバータ実験は、低温・高密度ダイバータの特性と遠隔放射冷却に力が注がれている。最近、低温・高密度ダイバータと、主プラズマの閉じ込め特性の改善を両立させるため、ダイバータの形状をよりクローズにして排気することが、大型トカマク装置で計画されている。また、ITERの設計研究においては、放射冷却パワーをさらに増大させるため、ガス・ダイバータの検討を行っている。これは低温・高密度ダイバータの概念をさらに押し進め、高圧のガスでダイバータ・プラズマを囲い、プラズマの熱流がダイバータ板へ到達しないようにするというものである。
嶋田 道也
プラズマ・核融合学会誌, 69(10), p.1146 - 1149, 1993/10
小特集「ダイバータ研究の現状と課題」の導入部として、ダイバータの果たす目的、ダイバータの概念、機能の解説を行った。ダイバータの果たす機能としては、不純物制御、粒子制御、熱制御が重要である。これらの機能を持たすためには、ダイバータは低温高密度であり、入射パワーの数十%以上を遠隔放射冷却で散逸させること、さらに主プラズマへの不純物逆流と粒子の逆流が十分小さいことが必要である。
嶋田 道也
プラズマ・核融合学会誌, 69(10), p.1155 - 1162, 1993/10
小特集「ダイバータ研究の現状と課題」の中核部として、最近のダイバータ実験結果の現状について解説した。ダイバータ研究の重要性に鑑み、ダイバータの計測器が整備され、ダイバータ輸送コードの比較、データベースの充実が図られるようになった。このため熱輸送、粒子輸送、放射冷却、不純物発生に関しての定量的な議論が可能になった。しかしながら装置間で共通のデータベース作成は全んど着手されていないため、今後異なる装置でデータを比較し次期装置への外挿の精度、信頼性を向上させる必要がある。また、高パワー加熱のデータ、電流駆動のデータも不足しており、低温高密度ダイバータと改善閉じ込めの両立も課題として残されている。不純物発生に関してはJT-60などで定量的な発生機構解明が進んだが、不純物輸送に関しては、今後の発展が期待される。